フェラーリ(フィアット)のF1狂想曲(ターボ時代の昔話)

ターボF1時代、プライベーターへのエンジン供給を通じてF1を支えたメーカーとしてルノーとBMWの名前がよく出ます。ケメ子もこの2メーカーの功績は賞賛に値すると思いますし、今でも好きなメーカーだったりします。

ところが、この時代のフェラーリはあまりそういう印象を持たれていないんですよね...。
NA化後の1991年にミナルディへエンジンを供給したことも、日本では「(利己的なフェラーリの)門外不出のエンジンがついに!」みたいな文脈で説明されたり...。

個人的にはフェラーリを含めたフィアットグループの功績について、もっと知られていてもいいのになぁと思っています。

1500ccターボ当時、フィアットグループ企業が主導して開発を行ったF1エンジンには、以下のものがあります。
1.フェラーリV6
2.アルファロメオV8(オゼッラV8)
3.アルファロメオ直4

フェラーリとアルファロメオの2ブランドのエンジンが同時進行してしまったのは、フィアットがフェラーリとアルファロメオの双方を傘下におさめてしまったために起きたことではありますけど、V6とV8の同時参戦だったわけですね。V8の後の直4はデビュー直前でお蔵入りでしたけど。

V8は途中で引っ込めるはずだったものですが、オゼッラチームがエンジンの継続使用を希望したことから供給を続け、最終的にはオゼッラ名義でターボの最終年まで参戦してましたね...。

そしてデビュー直前でお蔵入りになった直4ですが、転んでもただでは起きません。
このエンジンのマネジメントシステムは、ザクスピード直4用に焼き直されておりますw。

フェラーリはモトリモデルニV6のエンジンマネジメントシステムを供給していましたので、1980年代の後半にフィアットグループは以下の4チーム/4エンジンに関わっていたことになります...(汗
1.フェラーリ/フェラーリV6
2.オゼッラ/アルファロメオV8
3.ミナルディ/モトリモデルニV6
4.ザクスピード/ザクスピード直4

ザクスピードに関わったと言えるかは微妙なセンではありますけども、いずれにせよ当時のフェラーリ/フィアットは、いい意味で「F1コミュニティ」に貢献していたんだなぁと...。

おまけ)
アルファロメオが直4をデビュー予定だった1987年の開幕直前に引っ込めたことについては、巷でよく言われるようにフェラーリエンジンがあるのに別のエンジンまでフィアットが出したくなかったという理由もあるでしょうけど、デビューを目論んでいた1987年にタイミング悪くターボの最大過給圧規制が始まってしまったことも痛かったんではないでしょうかね?
直4はV6と比べて最高回転数を上げられない分、過給圧を高めて勝負することがセオリーでしたから。

...などと脳内情報をたな卸し。落ちのない昔話になってしまいました。
そのうち情報抜けや記憶違いなどの手直しと、参考となる書籍の一覧でも付記しますかね。